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ポケモンに関する、Twitter (@lkm_mm) 上で吐き出した妄想をまとめていきます。

番外編1:技 ”へんしん” から広がる妄想

 

@lkm_mm

 

【注意:はじめに】

 本記事は、筆者の妄想を文章化したものです。筆者の見解は「ゲーム(システム)上の都合(=考えても仕方がない問い)」に抵触する可能性が通常より高いと考えられます。また、「ゲーム本編に散りばめられた謎を解き明かそう」という試みとは趣旨が少し異なります。

 

【概要】

 へんしんポケモンメタモンは技 ”へんしん” を使うことで特定のポケモンの姿や技、能力を模倣することができる。メタモンは ”へんしん” を覚える数少ないポケモンであるが、同様の技はしんしゅポケモン・ミュウも自力で習得することができる。本記事では、この共通点に着目することで両者に関係がある可能性について考える。

 

【背景】

 技 “へんしん” は第1世代(赤・緑、青、ピカチュウ)にて登場した技である。メタモンは ”へんしん” を習得する代表的なポケモンであり、この技はメタモンを想起させる技とも言える。しかしながら、”へんしん” はメタモンのみが覚える固有技というわけではなく、幻のポケモンの1種であるミュウも習得することができる。これは第1世代から第7世代現在まで続いており、技 “ゆびをふる” か、第2世代で登場したえかきポケモンドーブルの固有技である “スケッチ” を使わない限りメタモンとミュウ以外のポケモンは使うことができない。

 

【知見に基づく可能性の提唱】

 

ポケモン図鑑を参考にしたへんしんの特徴についての記述

 ポケモン図鑑によれば、メタモンは変身する際には細胞レベルの変化を起こすという (文1)。これは ”へんしん” の使用時、及びメタモンの特性の1つである「かわりもの」の発動時に起こる現象であると予想される。”へんしん” が細胞レベルの変化を起こす技であるならば、ミュウが ”へんしん” を使用した場合にも同様の変化が起こることが示唆される。

 

赤・緑、ファイアレッドY

からだの さいぼうの つくりを じぶんで くみかえて ほかの せいめいたいに へんしんする。

 

青、リーフグリーン

さいぼうそしきを いっしゅんで コピーして あいて そっくり へんしんする のうりょくがある。

 

ピカチュウ

あいてをみた しゅんかん からだが とけるように へんかを はじめる。ほぼ おなじかたちに へんしんする。

 

ルビー・サファイア・エメラルド、オメガルビーアルファサファイア

からだの さいぼうを くみかえて へんしんする。おもいだしながら いぜん みた ものに かわると ちょっと ちがう かたちに なってしまうのだ。

 

ダイヤモンド・パール・プラチナ、ブラック・ホワイト、X

ぜんしんの さいぼうを くみかえて みたものの かたち そっくり へんしんする のうりょくを もつ。

 

ブラック2・ホワイト2

ぜんしんの さいぼうを くみかえて みたもの そっくり へんしんするが ちからが ぬけると もとにもどる。

 

サン

さいぼうを くみかえ みた あいて そっくり すがたを へんかさせる。 さいげんどは こたいに よる。

 

1. 各バージョンのポケモン図鑑におけるメタモンの説明(一部バージョン)

ポケモン図鑑におけるメタモンの頁。これらの記述より、”へんしん” を使うと細胞レベルで変化が起こることが予想される。

 

 

ミュウの知見から考えるへんしん

 ミュウは「全てのポケモンの遺伝子を持つ」と記述されるポケモンである (文2)。この知見と前項で記述した ”へんしん” の特徴を踏まえて考えると、ミュウとメタモンの間には遺伝的な関係があるとも考えられる。ミュウやメタモンが ”へんしん” を使用する場合、遺伝子発現パターンに変化が起こることではじめて能力が発揮されるのかもしれない(遺伝子については過去記事も参照)。

 

 

lkmmmigapkmn.hatenablog.com

 

 

銀、ソウルシルバーY

いでんしには すべての ポケモン じょうほうが ふくまれているので あらゆる わざが つかえるという。

 

ルビー・サファイア、エメラルド、オメガルビーアルファサファイア

すべての ポケモン いでんしを もつと いう。じゆうじざいに すがたを けすことが できるので ひとに ちかづいても まったく きづかれない。

 

2. ポケモン図鑑に記載されているミュウの説明(一部バージョン)

ポケモン図鑑におけるミュウの頁。フジ博士が研究対象としていたポケモンであり、ポケモン屋敷にはそれに関する日記が一部残されている。遺伝的に全てのポケモンと共通点を持つとされることから、ポケモンの生物学的な進化を研究する上で重要なポケモンであると考えられる。

  

ミュウとメタモンに存在しうる共通点

 カントー地方・グレンタウンには「ポケモンやしき(以降、「ポケモン屋敷」と記述)」という廃墟が登場する。この屋敷はかつてグレンタウンに住んでいた研究者であるフジ博士の元住居であり、屋敷内には博士の研究に関する日記が残されている。フジ博士はミュウについて研究しており、その結果いでんしポケモンミュウツーを創り出した (文3 A, B)。ミュウツーの誕生は、フジ博士によるミュウの子供への遺伝子操作の産物であると考えられている。

 ピカチュウ版において、メタモンポケモン屋敷に出現する。”へんしん” が遺伝子発現パターンに影響を及ぼす技であると仮定するならば、ポケモンの遺伝子を研究していたであろうフジ博士はメタモンも研究対象にしていた可能性が考えられる。ミュウを研究する上で、変身能力を持つメタモンの解析は必要なことだったのかもしれない。ポケモン屋敷にメタモンが住み着くに至った経緯は不明であるが、”へんしん” という共通点を持つ2種が同一の場所と関連を持つことには一考の余地がある。赤・緑、青ではポケモン屋敷にメタモンは出現せず、これはピカチュウ版で変更された点である。しかしながら、興味深いことに、赤・緑のリメイク版であるファイアレッドリーフグリーン(第3世代)ではポケモン屋敷にてメタモンが出現する。また、ミュウツーが出現する「ハナダのどうくつ(以降、「ハナダの洞窟」と表記)」にもメタモンが出現する(赤・緑、青、ピカチュウファイアレッドリーフグリーンハートゴールドソウルシルバー)ほか、ハナダの洞窟と同様にミュウツーが出現する「ポケモンのむら(以降、「ポケモンの村」と表記;X・Y(第6世代)で登場するポケモンの居住区)」にもメタモンが出現する(厳密には、ミュウツーポケモンの村にある「ななしのどうくつ」に潜伏している)。ミュウツーと関連する場所にメタモンが出現することは、ミュウとの関係を示唆する根拠足りうるのだろうか。

 

 

A

 

にっき 7がつ5か ここは みなみアメリカの ギアナ ジャングルの おくちで しんしゅの ポケモン はっけん

 

にっき 7がつ10か しんはっけんの ポケモン わたしは ミュウと なづけた

 

にっき 2がつ6か ミュウが こどもを うむ うまれた ばかりの ジュニアを ミュウツー よぶことに……

 

にっき 9がつ1にち ポケモン ミュウツー つよすぎる ダメだ…… わたしの てには おえない!

  

B

 

赤・緑、ファイアレッド

けんきゅうの ために いでんしを どんどん くみかえていった けっか きょうぼうな ポケモン なった。

 

青、リーフグリーンX

ひとりの かがくしゃが なんねんも おそろしい いでんし けんきゅうを つづけた けっか たんじょうした。

 

ピカチュウ

ミュウの いでんしと ほとんど おなじ。だが おおきさも せいかくも おそろしいほど ちがっている。

 

金、ハートゴールド

きょくげんまで せんとうのうりょくを たかめられたため めのまえの てきを たおすことしか かんがえなくなった。

 

クリスタル

たたかいの ためだけに うみだされ いまは どこかの どうくつふかくで ねむっていると いわれる。

 

ルビー・サファイア・エメラルド、オメガルビーアルファサファイア

いでんしそうさに よって つくられた ポケモン。にんげんの かがくりょくで からだは つくれても やさしい こころを つくることは できなかった。

 

ダイヤモンド・パール・プラチナ、ブラック・ホワイト、ブラック2・ホワイト2Y

ミュウの いでんしを くみかえて うみだされた。ポケモン いちばん きょうぼうな こころを もつという。

 

3. フジ博士は遺伝子操作によってミュウツーを創り出した

A. ポケモン屋敷に残されたフジ博士の日記。

B. ポケモン図鑑におけるミュウツーの頁(一部バージョン)。

 

 

【最後に】

 今回の記述では、ドーブル、及び ”ゆびをふる” を使って ”へんしん” したポケモンについては考慮していない。また、この技はポケモンにおいてしばしば見受けられる不思議な能力を多く含んだ技であるため、現実世界の科学的な知見に基づいた記述がおそらく不可能と思われる。

 ファイアレッドリーフグリーンにおけるメタモンの生息地に関しては、ピカチュウ版の要素が一部残された可能性が高い。しかし、ピカチュウ版はアニメの影響を強く受けた作品であり、発売は1998年9月12日である。この時期はアニメ映画(劇場版)の第1作である「ミュウツーの逆襲」が放映された時期と重なる (1998年7月18日公開)。その影響を受けてか、ピカチュウ版におけるポケモン図鑑のミュウの頁には「けんびきょうで のぞいてみたら ひじょうに みじかくて ほそい こまやかな たいもうが はえていた。」と記述されている。この記述はミュウに体毛が存在することを示す記述であり、「ミュウツーの逆襲」中で言及された「ミュウの睫毛」を支持する知見であるとも解釈できる。ピカチュウ版は、「ミュウツーの逆襲」の影響も受けているのだろうか。真実は不明であるが、妄想をするには十分な情報である。

 

【方法】

 

ゲーム中の記述(ポケモン図鑑の説明文、ポケモン屋敷の日記)

 【参考・引用文献】に示す1を参照した。ポケモン屋敷の日記は、VC版ピカチュウを用いて記述を確認した。

 

「世代」の区分

 本考察では、バージョン(赤・緑など)を「世代」で区分した。赤・緑、青、ピカチュウを第1世代(初代)、金・銀、クリスタルを第2世代、ルビー・サファイアファイアレッドリーフグリーン、エメラルドを第3世代、ダイヤモンド・パール、プラチナ、ハートゴールドソウルシルバーを第4世代、ブラック・ホワイト、ブラック2・ホワイト2を第5世代、X・Y、オメガルビーアルファサファイアを第6世代、サン・ムーン、ウルトラサン・ウルトラムーンを第7世代とした。

 

【参考・引用文献】

  1. ポケモンwikihttps://wiki.ポケモン.com/wiki/
  2. Wikipediahttps://ja.wikipedia.org/wiki/劇場版ポケットモンスター_ミュウツーの逆襲